弁護士田中宏幸のコラム
2013年12月26日 木曜日
遺産分割協議の方法と内容
Q 父の相続人として母と兄と私の3人がおり、父の遺産を分割することになりましたが、兄が転勤で遠方におり、分割協議書を送ってくれれば署名して捺印するといっています。
また、相続としては形見分け程度でいいといっています。
こういう方法でも協議したものとして遺産分割は有効なのでしょうか。
また、相続人のうちの1人の取り分が形見分け程度でもよいのですか。
A 遺産分割は協議して決めるのが原則です。
しかし、必ずしも相続人が全員一堂に会して協議する必要はなく、相続人のなかの一部の人が遺産分割案を作って、遠方の相続人に送ったり、又は持ち回りの方法で協議することもできます。
これらの方法でも合意ができれば、協議による遺産分割ということになり有効となります。
各相続人が現実に取得する相続分が法定相続分と一致する必要はありませんので、お兄さんが形見分け程度であっても、その自由意思に基づくものであれば、分割協議が無効になることはありません。
但し、後日のため、協議で決まった内容を遺産分割協議書として残しておくことが大切です。
また、相続としては形見分け程度でいいといっています。
こういう方法でも協議したものとして遺産分割は有効なのでしょうか。
また、相続人のうちの1人の取り分が形見分け程度でもよいのですか。
A 遺産分割は協議して決めるのが原則です。
しかし、必ずしも相続人が全員一堂に会して協議する必要はなく、相続人のなかの一部の人が遺産分割案を作って、遠方の相続人に送ったり、又は持ち回りの方法で協議することもできます。
これらの方法でも合意ができれば、協議による遺産分割ということになり有効となります。
各相続人が現実に取得する相続分が法定相続分と一致する必要はありませんので、お兄さんが形見分け程度であっても、その自由意思に基づくものであれば、分割協議が無効になることはありません。
但し、後日のため、協議で決まった内容を遺産分割協議書として残しておくことが大切です。
2013年12月25日 水曜日
債務の遺産分割
Q 債務について、遺産分割はどうなりますか。
A 債務についても、相続人の分割協議によって、だれが負担するのかを決めることができます。
しかし、債権者(例えば銀行)がいますので、債権者の同意がないと、債権者に対し、このことを対抗することはできません。
債権者の同意がない場合は、原則どおり各相続人は法定相続分に応じて債務を承継することになります。
そうしないと、プラスの財産のみを特定の相続人に取得させ、マイナスの財産(債務)を他の相続人に相続させるような方法がなされると、債権者の権利が害される恐れがあるからです。
A 債務についても、相続人の分割協議によって、だれが負担するのかを決めることができます。
しかし、債権者(例えば銀行)がいますので、債権者の同意がないと、債権者に対し、このことを対抗することはできません。
債権者の同意がない場合は、原則どおり各相続人は法定相続分に応じて債務を承継することになります。
そうしないと、プラスの財産のみを特定の相続人に取得させ、マイナスの財産(債務)を他の相続人に相続させるような方法がなされると、債権者の権利が害される恐れがあるからです。
2013年12月20日 金曜日
遺産分割はいつまでに?
Q 遺産分割は、いつまでにしなければなりませんか。
A 法律上、遺産分割をいつまでにしなければならないという特定の時期はありません。
しかし、分割が終わるまでは、遺産の権利関係が不安定ですし、遺産の管理の問題も生じますので、早く済ませる方が良いでしょう。
いつまでもせずにおくと、相続人のなかで亡くなられる人が生じたりして、さらに相続人が増えるなどより複雑になりかねないからです。
遺産に相続税がかかるケースでは、相続税の申告期限までに分割が行われるケースが多いようです。
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内ということになっています。
この10ヶ月以内に遺産分割が終わっていなくても申告の手続はしておく必要があります。
詳しくは税理士に相談されることをお勧めします。
A 法律上、遺産分割をいつまでにしなければならないという特定の時期はありません。
しかし、分割が終わるまでは、遺産の権利関係が不安定ですし、遺産の管理の問題も生じますので、早く済ませる方が良いでしょう。
いつまでもせずにおくと、相続人のなかで亡くなられる人が生じたりして、さらに相続人が増えるなどより複雑になりかねないからです。
遺産に相続税がかかるケースでは、相続税の申告期限までに分割が行われるケースが多いようです。
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内ということになっています。
この10ヶ月以内に遺産分割が終わっていなくても申告の手続はしておく必要があります。
詳しくは税理士に相談されることをお勧めします。
2013年12月16日 月曜日
法定果実(家賃等)の管理
Q 共同相続人の1人が遺産である不動産の家賃、地代、駐車場の収入を管理している場合、他の相続人はその家賃等については何の権利もないのでしょうか。
A 家賃等(これを法定果実といいます。)は、各相続人の法定相続分に応じて取得することができます。
従って、管理している相続人に対し、自己の法定相続分に応じた金額の支払を請求することができます。
ある1人の相続人が家賃などの管理をしているのに、他の相続人がそのことを知りつつ一定期間異議を述べないときは、家賃などの管理を任せることにつき同意があったものと認められることがあります(黙示の同意)。
このときは、他の相続人は家賃などを管理している相続人に対し、遺産分割が決まるまでは支払請求はできないことがありますので、注意して下さい。
A 家賃等(これを法定果実といいます。)は、各相続人の法定相続分に応じて取得することができます。
従って、管理している相続人に対し、自己の法定相続分に応じた金額の支払を請求することができます。
ある1人の相続人が家賃などの管理をしているのに、他の相続人がそのことを知りつつ一定期間異議を述べないときは、家賃などの管理を任せることにつき同意があったものと認められることがあります(黙示の同意)。
このときは、他の相続人は家賃などを管理している相続人に対し、遺産分割が決まるまでは支払請求はできないことがありますので、注意して下さい。
2013年12月13日 金曜日
相続開始後の建物の居住
Q 父が亡くなり、母、兄、私の3人が相続人になりました。
亡父は生前、母と共に兄夫婦と同居していましたが、父の死後、母は兄嫁とうまくいかず、家を出て私と同居することになりました。
兄夫婦は遺産分割の話にも応ぜず、父の遺産である家(土地を含む)に住み続けています。
私と母の相続分の方が多いので兄に対して家の明渡しを求めることができないでしょうか。
A あなたとお母さんは法定相続分の合計3/4の共有持分権があります。
しかし、その3/4をもってしても、そのことをもって当然に、お兄さんに対し、家の明渡しを求めることはできません。
ただ、お父さんの死去後、お兄さんが従前と異なる使用方法を始めたり、新たな建築物を築造しようとしているときは、家の明渡請求ができる場合もあるでしょう。
ただ、あなたとお母さんは共有持分3/4の賃料相当額につき、お兄さんが不当利得を得ているので、その分を返還請求できるでしょう。
亡父は生前、母と共に兄夫婦と同居していましたが、父の死後、母は兄嫁とうまくいかず、家を出て私と同居することになりました。
兄夫婦は遺産分割の話にも応ぜず、父の遺産である家(土地を含む)に住み続けています。
私と母の相続分の方が多いので兄に対して家の明渡しを求めることができないでしょうか。
A あなたとお母さんは法定相続分の合計3/4の共有持分権があります。
しかし、その3/4をもってしても、そのことをもって当然に、お兄さんに対し、家の明渡しを求めることはできません。
ただ、お父さんの死去後、お兄さんが従前と異なる使用方法を始めたり、新たな建築物を築造しようとしているときは、家の明渡請求ができる場合もあるでしょう。
ただ、あなたとお母さんは共有持分3/4の賃料相当額につき、お兄さんが不当利得を得ているので、その分を返還請求できるでしょう。