弁護士田中宏幸のコラム

2014年1月31日 金曜日

遺留分減殺の順序

Q 複数の遺贈や贈与がある場合、遺留分の減殺の順序はどのようになりますか。

A 相続開始に近いものから減殺していきます。
  ①まず遺贈を減殺します。
  ②複数の遺贈がある場合、全部の遺贈をその価格の割合に応じて減殺しなければなりません。
  ③複数の生前贈与がある場合、新しい贈与(日付が後になされた贈与)から減殺し順次前の贈与を減殺していきます。

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2014年1月27日 月曜日

遺留分減殺請求の方法

Q 生前贈与や遺贈で現実に遺留分を侵害されている相続人はどのような手続によって遺留分が保護されるのでしょうか。
  また法的手続に期間の制限はないのでしょうか。

A 遺留分を侵害された相続人は、贈与や遺贈を受けた人に対して、侵害された分を返還するよう請求することができます。
  これを遺留分減殺請求といいます。
  この請求を行うときは、時効のこともありますので、誰に対していつ郵便が届いたかを証明できる配達証明付内容証明郵便にするのがよいでしょう。
  この遺留分減殺請求により、法律的には遺留分の範囲で遺産上の権利が遺留分権利者のものとなります。
  しかし、実際に財産を取得するためには、地方裁判所への訴の提起、あるいは家庭裁判所への遺産分割の申立てをしなければならないのが通常です。
  遺留分減殺請求には期間の制限があります。
  遺留分権利者が相続の開始があったこと及び、遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことの両方を知ったときから1年を経過すると時効により、遺留分減殺請求権が消滅します。
  また相続開始から10年を経過したときも時効消滅します。

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2014年1月24日 金曜日

寄与者の遺留分

Q 遺留分を有する相続人のうちに寄与分を有する者がいるとき、その者の遺留分額は増えますか。

A 一見すると、寄与分を有する相続人の遺留分の方が、他の相続人の遺留分より多くするのが公平のようにも思えます。
  しかし、遺留分は、寄与分とはまったく関係なく算定され、寄与分による修正はありません。
  つまり、寄与者の遺留分が他の相続人と比べて増えるということはありません。
  寄与分は遺言がない場合に相続人間で遺産分割を行う際に公平の原理から認められた制度ですので、遺留分が問題となるような遺言が存在する場合には、登場する余地がないということです。

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2014年1月20日 月曜日

特別受益者の遺留分

Q 遺留分を有する相続人の中に特別受益者がいるとき、遺留分額の計算はどのようにするのでしょうか。

A 遺留分の算定においては特別受益を次の2つの点で考慮します。
  ①まず、特別受益にあたる贈与は遺留分算定の基礎となる相続財産に無条件に含まれます。
  このことは前回述べたとおりです。
  ②そして、特別受益者の遺留分額は、「相続人全体の遺留分額にその者の法定相続分を乗じた額」から特別受益の贈与の価格を控除した金額になります。
  但し、その金額がゼロまたはマイナスになるときは、その特別受益者は遺留分を有しません。
  このように、特別受益者の遺留分を計算することは難しい面がありますので、慎重にする必要があります。

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2014年1月17日 金曜日

遺留分算定の基礎財産

Q 相続人全体の遺留分額は相続財産の価格の2分の1あるいは3分の1ということはわかりましたが、遺留分を計算する基礎になる財産はどのようにして決めるのでしょうか。

A 相続財産(遺留分算定の基礎となる財産)の価格は、被相続人が相続開始時に有していた財産の価格に、贈与された財産のうち一定の範囲の財産の価格を加えて、それから被相続人の債務額を控除して算定します。
  相続財産に加える贈与された財産とは次のものです。
  ①被相続人の死亡前1年以内に贈与された全ての財産
  ②被相続人の死亡より1年以上前に贈与された財産のうち、贈与当事者双方が遺留分を害することを知ってなしたもの
  ③特別受益者が受けた全ての財産
  ④当事者が遺留分を害することを知りつつ、異常に低価格で売買された財産など

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