成年後見

成年後見制度(財産管理等)について

成年後見制度(財産管理等)について

認知症や知的障害者、精神障害者など、判断能力が不十分な方の財産管理などにおいて、選任された成年後見人が代理して行う制度です。親族等により財産を勝手に処分されることから保護したりを防止したり、悪徳商法等により不当な契約をさせられることからご本人を守るための制度です。

『相談事例と対策』
高齢者の方から、「最近、足腰が思うように動かなくなったり、物忘れも出始めたので、いずれ預金などの財産を長女に管理してもらいたいのですが、後で、子供達同士がトラブルにならないように何か良い方法はありませんか」といったご相談をお受けすることがあります。このような場合、私は、次のような方法お勧めしています。

1 財産管理契約

まず、長女があなたの財産管理を代理人として動けるように、長女との間で、財産管理契約を結ぶことをお勧めしています。契約の内容は、どの範囲まで長女に任せるのかを詳しくお聞きして作成しています。

2 任意後見契約(公正証書)

将来、あなたが認知証など財産管理を本格的にできない状態に陥ったときに備えて、あなたの気に入った長女に後見人になってもらうことを‘予約’しておくことができます。この契約は公正証書にして作成しておくのですが、これもお勧めしています。

※遺言書の作成(公正証書)

ご自分の財産管理が気にかかる方は、遺産をどのように処理したいかについて、関心をお持ちの方が多く見られます。そのような場合は、遺言書を作成しておくことをお勧めしています。
遺言書には、誰に何を取得してもらいたいか書きますし、そのように決めた理由も書くようにしています。遺言書を作成された後、「これで気持ちが随分楽になった」とよく喜ばれています。
もちろん、遺言書は一旦作成しても、後で内容を変更することは自由にできますので、この点は心配いりません。

3 成年後見申立

ご本人でなく、身内の方から見て、ご本人の認知証がかなり進行していて、ご本人の財産管理がおぼつかないという場合に、ご本人の財産を守るために、成年後見申立が行われています。親族の反対がなければ、身内の方が後見人(あるいは保佐人、補助人)に選任されることが多いです。医師による鑑定が行われることもありますが、その費用は10万円以下が大半です。

法定後見制度と任意後見制度について

成年後見制度は大きく分けると、法定後見制度と任意後見制度の2つに分かれます。

法定後見制度と任意後見制度の違い
法定後見

重要な法律行為の同意権・取消権がある。
すでに判断力が不十分になった人に代わって法律行為をする制度

任意後見

重要な法律行為の同意権・取消権がない。
将来、判断力が不十分になった時に備えておくための制度

法定後見制度

本人の判断能力が衰えてしまっている場合の制度です。本人の判断能力に応じて、後見・保佐・補助の3つに分かれます。
どの類型に該当するかは、医師の診断書を元に家庭裁判所が決定します。

法定後見の種類 後見 保佐 補助
対象になる方 判断能力が全くない方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が不十分な方
成年後見人・保佐人・補助人の権限 財産管理についての包括的な代理権、取消権(日常生活に関する行為を除く) 一定の重要な行為についての同意権、取消権。代理権は本人の同意あるものについてのみ、家庭裁判所より付与される。 本人の同意があるときのみ、特定の行為について、代理権、同意権の一方または双方が付与される。
ご本人の資格制限 医師、税理士等の資格や会社役員、公務員の地位を失う。 医師、税理士等の資格や会社役員、公務員の地位を失うなど。 なし

任意後見制度

任意後見制度

現在はまだ判断能力があるが、将来の判断能力低下に備えるための制度です。
本人が前もって任意後見人を選定し、自己の判断能力が不十分になったときの財産管理、身上監護の事務について代理権を与える旨の契約を任意後見人と交わします。

なお、契約は必ず公正証書で行われ、任意後見の登記もされるため、社会的な信用度も高くなります。
そして、本人の判断能力が低下した際に、本人や家族が家庭裁判所に任意後見監督人の選任の申立てを行い、任意後見監督人が選任された時から、任意後見契約は効力が生じます。